カエル
無 尾 目
| ||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
分 類
| ||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||
学 名
| ||||||||||||||||||
A n u r a
| ||||||||||||||||||
和 名
| ||||||||||||||||||
無 尾 目 [ 1 ] [ 2 ]
| ||||||||||||||||||
カエル
(
蛙
、
英
語
:
F
r
o
g
)
は
、
両
生
綱
無
尾
目
(
む
び
も
く
、
A
n
u
r
a
)
に
分
類
さ
れ
る
構
成
種
の
総
称
。
古
称
と
し
て
か
わ
ず
(
旧
か
な
表
記
で
は
「
か
は
づ
」
)
な
ど
が
あ
る
。
英
名
は
一
般
に
は
f
r
o
g
で
あ
る
が
、
ヒ
キ
ガ
エ
ル
の
よ
う
な
外
観
の
も
の
を
t
o
a
d
と
呼
ぶ
こ
と
が
多
い
。
分布[編集]
南
極
大
陸
を
除
い
た
全
大
陸
お
よ
び
多
く
の
島
嶼
[
2
]
。
ア
カ
ガ
エ
ル
類
の
一
部
は
、
北
極
線
よ
り
北
に
も
分
布
す
る
[
2
]
。
形態[編集]
成
体
の
頭
は
三
角
形
で
、
目
は
上
に
飛
び
出
し
て
い
る
。
一
見
す
る
と
頭
部
に
は
種
に
よ
る
差
異
が
な
い
よ
う
に
も
思
え
る
が
、
実
際
に
は
天
敵
対
策
の
た
め
に
毒
液
を
流
し
込
む
鋭
い
棘
を
発
達
さ
せ
た
種
や
、
大
き
め
の
獲
物
を
飲
み
込
め
る
よ
う
に
大
き
く
裂
け
た
顎
を
持
つ
種
な
ど
、
種
ご
と
の
違
い
が
大
き
い
。
中
に
は
頭
部
を
ヘ
ル
メ
ッ
ト
の
よ
う
に
活
用
し
て
巣
穴
に
蓋
を
す
る
種
も
い
る
。
極
わ
ず
か
の
例
外
を
除
き
、
上
顎
に
し
か
歯
が
生
え
て
い
な
い
が
、
歯
が
無
い
種
類
で
も
、
牙
状
の
突
起
を
進
化
さ
せ
た
も
の
が
少
な
く
な
い
[
3
]
。
獲
物
を
飲
み
込
む
際
に
は
、
目
玉
を
引
っ
込
め
て
強
制
的
に
喉
の
奥
へ
押
し
込
む
。
胴
体
は
丸
っ
こ
く
、
尻
尾
は
幼
体
に
し
か
存
在
し
な
い
。
ほ
と
ん
ど
の
種
で
肋
骨
が
な
い
。
後
肢
が
特
に
発
達
し
て
お
り
、
後
肢
で
ジ
ャ
ン
プ
す
る
こ
と
で
、
敵
か
ら
逃
げ
た
り
、
エ
サ
を
捕
ま
え
た
り
す
る
。
後
肢
の
指
の
間
に
水
掻
き
が
発
達
す
る
も
の
が
多
く
、
こ
れ
を
使
っ
て
よ
く
泳
ぐ
。
前
肢
は
人
間
の
腕
に
似
た
形
状
を
し
て
い
る
。
ジ
ャ
ン
プ
か
ら
の
着
地
の
際
に
身
体
へ
の
衝
撃
を
和
ら
げ
る
の
が
主
な
役
目
で
あ
る
。
餌
と
な
る
小
動
物
に
飛
び
つ
い
て
両
肢
で
押
さ
え
つ
け
た
り
、
冬
眠
な
ど
の
た
め
に
土
砂
を
掘
っ
た
り
、
汚
れ
落
と
し
の
た
め
に
片
肢
で
顔
を
拭
い
た
り
す
る
動
作
も
可
能
で
あ
る
。
ア
オ
ガ
エ
ル
科
や
ア
マ
ガ
エ
ル
科
な
ど
の
樹
上
生
活
を
す
る
種
の
多
く
で
は
指
先
に
吸
盤
が
発
達
し
、
そ
の
補
助
で
細
い
枝
な
ど
に
掴
ま
る
こ
と
が
で
き
る
。
人
間
や
猿
の
よ
う
に
物
を
片
肢
な
い
し
両
肢
で
掴
み
取
る
こ
と
は
で
き
な
い
。
は
四
肢
が
な
く
、
ひ
れ
の
つ
い
た
尾
を
も
つ
。
成
体
と
は
違
う
姿
を
し
て
い
て
、
俗
に
「
オ
タ
マ
ジ
ャ
ク
シ
(
お
玉
杓
子
)
」
と
呼
ば
れ
る
(
食
器
の
お
玉
杓
子
に
似
た
形
状
か
ら
)
。
オ
タ
マ
ジ
ャ
ク
シ
は
え
ら
呼
吸
を
行
い
、
尾
を
使
っ
て
泳
ぐ
た
め
、
淡
水
中
で
な
い
と
生
き
る
こ
と
が
で
き
な
い
。
オ
タ
マ
ジ
ャ
ク
シ
は
変
態
す
る
こ
と
で
、
尾
を
も
た
ず
肺
呼
吸
す
る
、
四
肢
を
も
っ
た
幼
体
(
仔
ガ
エ
ル
)
と
な
る
。
分類[編集]
6
,
5
7
9
種
(
日
本
に
は
5
科
4
2
種
の
カ
エ
ル
が
生
息
し
て
い
る
)
ほ
ど
知
ら
れ
て
お
り
、
そ
の
ほ
と
ん
ど
が
水
辺
で
暮
ら
し
て
い
る
。
水
の
そ
ば
で
生
活
し
な
い
も
の
は
わ
ず
か
し
か
知
ら
れ
て
い
な
い
。
種
数
は
a
m
p
h
i
b
i
a
w
e
b
に
よ
る
[
4
]
。
- ムカシガエル科Leiopelmatidae
- オガエル科Ascaphidae
- ミミナシガエル科Alytidae
- スズガエル科Bombinatoridae
- ピパ科Pipidae[1]
- メキシコジムグリガエル科Rhinophrynidae
- トウブスキアシガエル科Scaphiopodidae
- パセリガエル科Pelodytidae
- ニンニクガエル科Pelobatidae
- コノハガエル科Megophryidae
- ユウレイガエル科Heleophrynidae
- セーシェルガエル科Sooglossidae
- インドハナガエル科Nasikabatrachidae
- ヘルメットガエル科Calyptocephalellidae
- カメガエル科Myobatrachidae
- アマガエル上科Hyloidea
- Ceuthomantidae
- コガネガエル科Brachycephalidae
- コヤスガエル科Eleutherodactylidae
- Craugastoridae
- Strabomantidae
- ツノアマガエル科Hemiphractidae
- アマガエル科Hylidae[1]
- ヤドクガエル科Dendrobatidae
- ヒキガエル科Bufonidae[1]
- ユビナガガエル科Leptodactylidae
- Allophrynidae
- アマガエルモドキ科Centrolenidae
- ツノガエル科Ceratophryidae
- Odontophrynidae
- Cycloramphidae
- Alsodidae
- Hylodidae
- Telmatobiidae
- Batrachylidae
- ダーウィンガエル科Rhinodermatidae
- アカガエル上科Ranoidea
- ヒメアマガエル科Microhylidae[1]
- フクラガエル科Brevicipitidae
- クチボソガエル科]Hemisotidae
- クサガエル科Hyperoliidae
- サエズリガエル科Arthroleptidae
- アフリカアカガエル科Ptychadenidae
- Micrixalidae
- Phrynobatrachidae
- ゴライアスガエル科Conrauidae
- Petropedetidae
- Pyxicephalidae
- Nyctibatrachidae
- Ceratobatrachidae
- ヌマガエル科Dicroglossidae[1]
- Ranixalidae
- アカガエル科Ranidae[1]
- アオガエル科Rhacophoridae[1]
- マダガスカルガエル科Mantellidae
系統[編集]
無 尾 目
|
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
A n u r a
|
ア マ ガ エ ル 上 科
|
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
H y l o i d e a
|
ア カ ガ エ ル 上 科
|
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
R a n o i d e a
|
こ
の
系
統
樹
は
F
r
o
s
t
e
t
a
l
.
(
2
0
0
6
)
・
H
e
i
n
i
c
k
e
M
.
P
.
e
t
a
l
.
(
2
0
0
9
)
・
A
l
e
x
a
n
d
e
r
&
a
m
p
;
W
i
e
n
s
(
2
0
1
1
)
に
基
づ
く
。
生態[編集]
水
辺
で
生
活
し
、
陸
と
水
中
の
両
方
で
生
活
す
る
種
類
が
多
い
が
、
ほ
と
ん
ど
陸
上
だ
け
を
生
活
の
主
体
に
し
て
い
る
も
の
、
樹
上
に
ま
で
進
出
し
て
い
る
も
の
も
あ
る
。
完
全
に
水
中
生
活
の
も
の
は
そ
う
多
く
な
い
。
ほ
と
ん
ど
が
肉
食
性
で
、
昆
虫
な
ど
を
食
べ
る
。
小
型
哺
乳
類
ま
で
食
べ
る
大
型
の
種
も
あ
る
。
陸
上
で
採
食
す
る
も
の
は
、
舌
を
伸
ば
し
、
昆
虫
を
そ
こ
に
く
っ
つ
け
て
口
に
引
っ
張
り
込
む
。
口
は
非
常
に
大
き
い
。
胃
袋
は
広
く
て
柔
ら
か
い
た
め
、
異
物
な
ど
を
飲
み
込
ん
だ
と
き
は
胃
袋
を
吐
き
出
し
そ
れ
を
洗
う
行
動
を
す
る
[
5
]
。
胃
袋
は
右
寄
り
に
飛
び
出
し
、
右
手
か
ら
ぬ
ぐ
い
出
す
た
め
カ
エ
ル
は
右
利
き
で
あ
る
と
さ
れ
る
[
5
]
。
呼
吸
の
大
部
分
を
皮
膚
呼
吸
に
頼
っ
て
い
て
、
皮
膚
が
あ
る
程
度
湿
っ
て
い
な
い
と
生
き
て
い
け
な
い
。
わ
ず
か
に
肺
呼
吸
も
行
っ
て
い
る
。
そ
の
際
は
口
を
膨
ら
ま
せ
、
そ
れ
に
よ
っ
て
得
た
空
気
を
肺
に
送
り
込
ん
で
い
る
。
つ
ま
り
、
空
気
を
「
飲
み
込
む
」
よ
う
な
格
好
に
な
る
。
こ
れ
は
気
嚢
や
横
隔
膜
と
い
っ
た
呼
吸
機
構
を
獲
得
し
て
お
ら
ず
、
そ
れ
ら
補
助
器
官
に
よ
る
自
発
呼
吸
が
で
き
な
い
た
め
で
あ
る
。
た
だ
し
、
B
a
r
b
o
u
r
u
l
a
k
a
l
i
m
a
n
t
a
n
e
n
s
i
s
は
肺
を
持
た
ず
、
皮
膚
呼
吸
の
み
で
生
き
て
い
る
。
ま
た
、
海
水
に
入
る
と
浸
透
圧
に
よ
り
体
か
ら
水
分
が
出
て
死
ん
で
し
ま
う
。
た
だ
し
、
例
外
的
に
水
か
ら
離
れ
て
生
活
し
た
り
、
汽
水
域
に
棲
む
種
類
も
知
ら
れ
る
。
な
の
で
極
端
に
暑
い
、
寒
い
環
境
の
際
は
土
中
な
ど
で
休
眠
す
る
。
多
く
の
種
で
体
外
受
精
を
行
う
[
2
]
。
成
功
率
を
高
め
る
た
め
月
の
満
ち
欠
け
に
対
応
し
て
繁
殖
行
動
を
し
、
満
月
の
夜
に
も
っ
と
も
活
発
に
活
動
す
る
[
6
]
。
多
く
の
種
は
水
中
で
産
卵
す
る
が
、
陸
上
で
産
卵
す
る
種
も
い
る
[
2
]
。
水
面
や
樹
上
に
泡
状
の
塊
を
つ
く
り
、
そ
の
中
に
卵
を
産
む
も
の
も
い
る
[
2
]
。
卵
数
は
、
数
個
か
ら
数
万
個
ま
で
変
異
が
大
き
い
[
2
]
。
卵
を
保
護
す
る
種
や
後
述
す
る
直
接
発
生
す
る
種
で
は
少
卵
傾
向
が
あ
り
、
水
中
に
産
ん
で
そ
の
ま
ま
に
す
る
種
で
は
多
卵
傾
向
が
あ
る
[
2
]
。
卵
か
ら
孵
化
し
た
幼
生
は
、
水
中
で
自
由
遊
泳
す
る
種
が
多
い
[
7
]
。
幼
生
期
は
数
日
の
種
も
い
れ
ば
、
数
年
に
わ
た
る
種
も
い
る
[
2
]
。
一
方
で
卵
の
中
で
卵
黄
を
吸
収
し
て
成
長
し
、
自
由
遊
泳
す
る
幼
生
期
間
を
経
ず
に
幼
体
が
孵
化
す
る
(
直
接
発
生
)
す
る
種
も
い
る
[
2
]
[
7
]
。
さ
ら
に
輸
卵
管
の
中
で
胚
に
栄
養
を
与
え
、
幼
生
や
幼
体
を
産
む
胎
生
種
も
い
る
[
7
]
。
蛙
は
良
く
鳴
く
こ
と
で
有
名
で
あ
る
。
特
に
配
偶
行
動
に
関
わ
っ
て
大
き
な
鳴
き
声
を
上
げ
る
も
の
が
多
く
あ
り
、
世
界
各
地
で
古
く
か
ら
注
目
さ
れ
た
。
日
本
で
は
水
田
が
多
い
地
方
な
ど
で
は
、
夜
に
た
く
さ
ん
の
蛙
が
一
斉
に
鳴
き
出
し
、
「
蛙
の
大
合
唱
」
と
い
っ
て
夏
か
ら
秋
の
風
物
詩
と
な
っ
て
い
る
。
夜
、
家
の
外
か
ら
静
か
に
響
い
て
く
る
蛙
の
鳴
き
声
の
美
し
さ
は
、
多
く
の
俳
句
や
歌
に
詠
ま
れ
て
い
る
。
日
本
語
で
は
、
「
ケ
ロ
ケ
ロ
」
「
ゲ
ロ
ゲ
ロ
」
「
ク
ワ
ッ
ク
ワ
ッ
」
な
ど
と
表
記
さ
れ
る
こ
と
が
多
い
。
鳴
嚢
を
膨
ら
ま
せ
る
こ
と
に
よ
っ
て
鳴
き
、
鳴
嚢
は
の
ど
の
前
に
あ
る
種
類
と
、
両
側
の
頬
に
あ
る
種
類
と
が
あ
る
。
- 求愛音(matingcall)
- 繁殖期にオスがメスを呼び、産卵を促すための鳴き声。これまで求愛音とされてきた鳴き声には、実際にはメスに対してだけではなく、他のオスに対する縄張り宣言の意味も含まれていることが多いため、最近では求愛音と縄張り音を両方含んだ広告音という言葉が使われることが多い。
- 縄張り音(territorialcall)
- 繁殖期にオスが他のオスに対し、縄張りを宣言する鳴き声。他のオスとの距離や行動によって縄張り音を複雑に変化させる種類もある。
- 広告音(advertisementcall)
- 繁殖期にオスが他の個体に対し、自分の存在をアピールして、メスを引き付け、オスを排除するための鳴き声。春から夏にかけて田んぼでよく聞かれるカエルの合唱が、これにあたる。非常に近縁な種が、肉眼では見分けられないほど似通っていても、広告音が明確に違うこともある。
- 解除音(releasecall)
- 他のオスにメスと間違われて抱接されたオスが、間違った抱接を解除させるための鳴き声。繁殖期のヒキガエルのオスを背後から軽く握ると体を震わせながら解除音を発する。
- 警戒音(warningcall)
- 敵が近づいたときに発する鳴き声。人影が近づき、一鳴きして逃げる時の声。
- 危険音(distresscall)
- 敵に捕まったときに発する鳴き声。蛇に巻きつかれたり、人が強く握りしめると(握り潰してしまわないように注意)、大きなわめき声を上げる。
- 雨鳴き(raincall,showercall)
- 低気圧が近づいたり、雨が降っているときに発する鳴き声。アマガエルが有名。
人間との関係[編集]
食用[編集]
大
型
の
種
類
は
、
世
界
各
地
で
食
用
に
さ
れ
る
。
日
本
で
「
食
用
蛙
」
と
い
え
ば
、
普
通
ウ
シ
ガ
エ
ル
の
こ
と
を
指
す
。
肉
は
鶏
肉
の
さ
さ
み
に
似
て
お
り
、
淡
白
で
美
味
で
あ
る
。
中
国
を
は
じ
め
、
欧
州
な
ど
世
界
的
に
は
、
カ
エ
ル
を
食
べ
る
こ
と
は
特
別
な
こ
と
で
は
な
い
。
た
だ
し
、
欧
州
の
蛙
食
の
歴
史
に
於
い
て
先
駆
的
で
あ
っ
た
フ
ラ
ン
ス
人
は
、
後
続
の
国
々
か
ら
「
カ
エ
ル
喰
い
」
と
揶
揄
を
込
め
て
呼
ば
れ
て
い
た
。
現
在
で
も
英
語
で
f
r
o
g
e
a
t
e
r
(
フ
ロ
ッ
グ
・
イ
ー
タ
ー
)
や
J
o
h
n
n
y
C
r
a
p
a
u
d
(
ジ
ョ
ニ
ー
・
ク
ラ
ポ
ー
。
ク
ラ
ポ
ー
は
仏
語
で
カ
エ
ル
)
は
フ
ラ
ン
ス
人
に
対
す
る
蔑
称
で
あ
り
、
f
r
o
g
だ
け
で
フ
ラ
ン
ス
人
を
指
す
こ
と
も
あ
る
。
現
代
フ
ラ
ン
ス
料
理
の
祖
と
い
わ
れ
る
オ
ー
ギ
ュ
ス
ト
・
エ
ス
コ
フ
ィ
エ
は
、
若
き
日
の
英
国
王
エ
ド
ワ
ー
ド
7
世
に
自
慢
の
カ
エ
ル
料
理
を
提
供
し
賞
賛
を
得
た
が
、
材
料
を
問
わ
れ
て
言
葉
に
つ
ま
り
、
「
頭
が
三
角
に
な
る
思
い
」
を
し
た
と
い
う
。
後
年
、
エ
ス
コ
フ
ィ
エ
は
ロ
ン
ド
ン
の
「
カ
ー
ル
ト
ン
・
ホ
テ
ル
」
で
評
判
と
な
っ
た
冷
製
料
理
「
妖
精
・
オ
ー
ロ
ラ
風
」
が
カ
エ
ル
料
理
だ
っ
た
こ
と
を
明
か
し
、
イ
ギ
リ
ス
食
通
の
あ
い
だ
に
騒
動
を
巻
き
起
こ
し
た
[
8
]
。
食
べ
方
と
し
て
は
ソ
テ
ー
や
パ
ン
粉
焼
き
な
ど
が
あ
る
。
も
っ
ぱ
ら
腿
が
用
い
ら
れ
る
。
中
国
に
お
い
て
も
っ
と
も
一
般
的
な
食
用
蛙
は
ア
カ
ガ
エ
ル
の
一
種
で
、
中
国
語
で
は
「
田
鶏
(
テ
ィ
エ
ン
ジ
ー
)
」
と
呼
ば
れ
る
。
冬
に
食
べ
る
こ
と
が
多
か
っ
た
が
、
現
在
は
養
殖
さ
れ
て
お
り
年
中
食
べ
る
こ
と
が
で
き
る
ほ
か
、
ハ
ス
マ
と
呼
称
さ
れ
る
カ
エ
ル
を
原
材
料
と
す
る
菓
子
も
食
べ
ら
れ
る
。
ま
た
エ
ジ
プ
ト
な
ど
か
ら
大
型
の
ウ
シ
ガ
エ
ル
も
移
入
さ
れ
て
養
殖
さ
れ
て
い
る
。
安
徽
省
や
福
建
省
な
ど
で
は
渓
流
に
住
む
「
石
鶏
(
シ
ー
ジ
ー
、
R
a
n
a
s
p
i
n
o
s
a
)
」
も
美
味
と
珍
重
さ
れ
て
い
る
。
食
べ
方
と
し
て
は
手
足
の
部
分
の
唐
揚
げ
が
最
も
一
般
的
。
上
下
を
真
っ
二
つ
に
切
っ
て
、
内
臓
を
取
り
出
し
、
ス
ー
プ
に
す
る
場
合
も
あ
る
。
ま
た
、
華
南
で
は
粥
の
具
と
し
て
も
利
用
さ
れ
る
。
な
お
、
人
へ
も
寄
生
す
る
広
東
住
血
線
虫
な
ど
が
寄
生
し
て
い
る
場
合
も
あ
る
の
で
、
生
食
や
野
生
の
捕
獲
喫
食
は
危
険
で
あ
る
。
モ
デ
ル
生
物
と
し
て
カ
エ
ル
が
利
用
さ
れ
る
こ
と
も
多
い
。
発
生
生
物
学
や
生
理
学
の
部
門
で
の
利
用
が
有
名
で
あ
る
。
特
に
ア
フ
リ
カ
ツ
メ
ガ
エ
ル
は
よ
く
実
験
目
的
で
飼
育
さ
れ
る
。
脳
を
切
除
し
て
脊
髄
反
射
を
見
る
実
験
は
「
脊
髄
ガ
エ
ル
」
と
い
う
名
が
つ
け
ら
れ
て
い
る
。
解
剖
の
実
習
で
は
蛙
が
定
番
で
あ
る
が
、
日
本
の
理
科
教
育
に
お
い
て
は
次
第
に
軽
視
さ
れ
る
傾
向
に
あ
る
。
文化[編集]
日本[編集]
に
お
け
る
カ
エ
ル
は
、
棲
息
に
好
適
な
水
辺
や
水
田
が
多
か
っ
た
こ
と
か
ら
、
常
に
人
に
と
っ
て
身
近
な
存
在
と
な
っ
て
い
る
。
古
く
か
ら
冬
眠
か
ら
覚
め
て
活
発
に
行
動
す
る
春
か
ら
夏
に
か
け
て
の
景
物
と
さ
れ
、
『
万
葉
集
』
以
来
、
特
に
鳴
き
声
を
愛
で
て
詩
歌
に
詠
む
。
例
え
ば
山
上
憶
良
が
「
あ
ま
ぐ
も
の
む
か
ぶ
す
き
は
み
た
に
ぐ
く
の
さ
わ
た
る
き
は
み
」
(
万
葉
集
巻
第
五
)
と
詠
ん
だ
よ
う
に
、
上
代
で
は
谷
間
で
聞
か
れ
る
鳴
き
声
か
ら
、
ヒ
キ
ガ
エ
ル
を
「
た
に
ぐ
く
(
多
爾
具
久
・
谷
蟇
)
」
と
呼
び
[
9
]
、
『
古
事
記
』
に
も
葦
原
中
国
の
神
の
一
柱
と
し
て
多
邇
具
久
が
登
場
す
る
。
で
の
「
か
は
づ
」
は
、
主
に
鳴
き
声
が
美
し
い
こ
と
で
知
ら
れ
る
カ
ジ
カ
ガ
エ
ル
の
こ
と
を
指
す
が
、
こ
の
語
は
平
安
初
期
ご
ろ
か
ら
、
混
同
さ
れ
て
カ
エ
ル
一
般
を
指
す
よ
う
に
な
っ
た
。
俳
諧
に
お
い
て
は
、
カ
エ
ル
一
般
を
指
す
と
思
わ
れ
る
用
例
が
増
え
る
。
芭
蕉
の
「
古
池
や
蛙
飛
び
込
む
水
の
音
」
、
一
茶
の
「
や
せ
蛙
ま
け
る
な
一
茶
こ
れ
に
あ
り
」
等
の
句
は
特
に
有
名
。
「
蛙
」
は
春
の
季
語
で
、
こ
れ
は
初
蛙
の
イ
メ
ー
ジ
か
ら
。
「
雨
蛙
(
あ
ま
が
へ
る
)
」
「
蟇
/
蟾
蜍
(
ひ
き
が
へ
る
)
、
蟾
(
ひ
き
)
、
蝦
蟇
(
が
ま
)
」
「
河
鹿
(
か
じ
か
=
カ
ジ
カ
ガ
エ
ル
)
」
は
夏
の
季
語
で
あ
る
[
注
釈
1
]
。
で
は
、
ア
カ
ガ
イ
の
貝
殻
を
2
枚
こ
す
り
合
わ
せ
る
こ
と
で
カ
エ
ル
の
鳴
き
声
を
表
現
す
る
[
1
1
]
[
1
2
]
。
(
平
安
時
代
末
期
)
に
も
、
サ
ル
や
ウ
サ
ギ
と
と
も
に
、
人
間
に
擬
せ
ら
れ
た
カ
エ
ル
の
姿
が
、
生
き
生
き
と
描
か
れ
て
い
る
。
ま
た
、
草
双
紙
(
江
戸
時
代
)
で
は
妖
術
使
い
の
児
雷
也
が
大
蝦
蟇
(
お
お
が
ま
=
空
想
上
の
化
け
物
)
に
乗
っ
て
登
場
す
る
等
、
様
々
な
表
現
の
モ
チ
ー
フ
と
な
っ
て
い
る
。
童
謡
『
か
え
る
の
合
唱
』
は
、
ド
イ
ツ
民
謡
を
音
楽
家
の
岡
本
敏
明
が
日
本
語
に
訳
詞
し
た
も
の
。
2
0
年
代
に
は
、
カ
エ
ル
は
「
げ
こ
げ
こ
」
で
は
な
く
「
こ
ろ
こ
ろ
」
と
鳴
く
と
い
う
表
現
が
一
般
的
で
あ
っ
た
[
1
3
]
。
昭
和
4
0
年
代
に
は
カ
エ
ル
を
主
人
公
と
し
た
漫
画
お
よ
び
ア
ニ
メ
ー
シ
ョ
ン
『
ど
根
性
ガ
エ
ル
』
や
、
着
ぐ
る
み
劇
『
ケ
ロ
ヨ
ン
』
が
人
気
を
博
し
た
。
ま
た
、
サ
ン
リ
オ
は
『
け
ろ
け
ろ
け
ろ
っ
ぴ
』
と
い
う
子
供
カ
エ
ル
の
キ
ャ
ラ
ク
タ
ー
を
創
造
し
た
。
宮
沢
賢
治
は
寓
話
『
蛙
の
ゴ
ム
靴
』
で
、
西
洋
か
ら
渡
来
の
ゴ
ム
長
靴
を
晴
れ
た
日
に
も
履
き
、
得
意
に
な
っ
て
い
る
文
明
開
化
の
明
治
紳
士
を
風
刺
す
る
中
篇
を
書
い
て
い
る
。
2
1
世
紀
に
あ
っ
て
も
、
百
田
尚
樹
の
風
刺
小
説
『
カ
エ
ル
の
楽
園
』
の
モ
チ
ー
フ
に
使
用
さ
れ
て
い
る
。
の
『
大
和
本
草
』
に
よ
れ
ば
、
カ
エ
ル
の
名
は
他
の
土
地
に
移
し
て
も
必
ず
元
の
所
に
帰
る
と
い
う
性
質
に
由
来
す
る
と
記
述
さ
れ
て
い
る
。
日
本
で
は
、
「
お
金
が
返
る
(
カ
エ
ル
)
」
と
し
て
、
カ
エ
ル
の
マ
ス
コ
ッ
ト
を
財
布
の
中
に
入
れ
て
お
く
習
慣
が
あ
る
。
似
た
よ
う
な
扱
い
で
、
新
し
い
も
の
で
は
、
1
9
8
5
年
に
N
T
T
が
出
し
た
「
カ
エ
ル
コ
ー
ル
」
が
あ
る
。
帰
る
と
き
に
家
に
連
絡
を
入
れ
よ
う
、
と
い
う
も
の
だ
が
、
「
今
か
ら
、
カ
エ
ル
」
と
い
う
テ
レ
ビ
の
コ
マ
ー
シ
ャ
ル
が
人
気
を
呼
ん
だ
。
一
方
、
北
海
道
の
ア
イ
ヌ
民
族
の
文
化
に
お
い
て
は
、
カ
エ
ル
は
不
吉
な
生
き
物
と
さ
れ
て
い
た
。
家
に
カ
エ
ル
が
入
り
込
め
ば
、
す
か
さ
ず
炉
の
熱
灰
を
か
け
て
退
治
し
た
と
い
う
。
水
田
耕
作
を
お
こ
な
わ
な
か
っ
た
ア
イ
ヌ
に
と
っ
て
湿
地
帯
は
利
用
価
値
の
低
い
土
地
で
吸
血
虫
の
住
処
で
あ
り
、
そ
こ
に
住
む
カ
エ
ル
も
同
様
に
忌
み
嫌
わ
れ
た
も
の
ら
し
い
[
1
4
]
。
日本以外[編集]
中
国
で
は
道
教
の
青
蛙
神
信
仰
の
影
響
か
ら
後
ろ
脚
が
一
つ
の
ガ
マ
ガ
エ
ル
が
縁
起
物
と
し
て
飾
ら
れ
て
い
る
場
合
が
あ
る
。
の
い
く
つ
か
の
地
域
で
は
、
カ
エ
ル
は
幸
運
(
特
に
金
運
)
を
招
く
も
の
と
考
え
ら
れ
て
い
る
。
こ
の
た
め
、
カ
エ
ル
を
ペ
ッ
ト
の
よ
う
に
飼
っ
た
り
、
カ
エ
ル
の
置
物
を
家
に
飾
っ
た
り
す
る
こ
と
が
あ
る
。
ま
た
、
口
を
開
け
た
カ
エ
ル
の
置
物
に
向
か
っ
て
コ
イ
ン
を
投
げ
、
う
ま
く
口
の
中
に
入
れ
る
こ
と
を
競
う
遊
び
も
行
な
わ
れ
て
い
る
。
に
お
い
て
も
カ
エ
ル
は
よ
く
親
し
ま
れ
て
い
る
。
ギ
リ
シ
ャ
古
喜
劇
の
『
蛙
』
で
は
、
カ
エ
ル
が
船
を
こ
ぐ
デ
ィ
オ
ニ
ュ
ー
ソ
ス
を
半
ば
冷
や
か
し
な
が
ら
歌
い
続
け
る
シ
ー
ン
か
ら
そ
の
タ
イ
ト
ル
を
と
っ
て
い
る
。
日
本
語
で
は
カ
エ
ル
と
い
う
語
は
カ
エ
ル
目
全
般
を
指
す
総
称
だ
が
、
ヨ
ー
ロ
ッ
パ
言
語
で
は
愛
す
べ
き
生
き
物
と
し
て
の
カ
エ
ル
(
f
r
o
g
,
f
r
o
s
h
,
g
r
e
n
o
u
i
l
e
な
ど
)
と
、
醜
い
生
き
物
で
あ
る
ヒ
キ
ガ
エ
ル
(
t
o
a
d
,
k
r
ö
t
e
,
c
r
a
p
a
u
d
な
ど
)
や
ガ
マ
ガ
エ
ル
(
u
n
k
e
)
を
区
別
し
て
お
り
、
後
者
は
し
ば
し
ば
人
に
対
す
る
蔑
称
と
し
て
使
用
さ
れ
る
[
9
]
。
中
世
キ
リ
ス
ト
教
で
は
カ
エ
ル
は
死
や
吝
嗇
な
ど
不
浄
の
シ
ン
ボ
ル
と
さ
れ
た
が
、
死
後
の
世
界
で
は
魂
が
水
底
と
地
上
を
循
環
す
る
と
い
う
民
間
伝
承
を
持
つ
ド
イ
ツ
で
は
、
水
と
の
親
和
性
や
冬
眠
す
る
こ
と
な
ど
か
ら
カ
エ
ル
は
人
の
魂
の
メ
タ
フ
ァ
ー
と
さ
れ
た
。
の
授
賞
式
で
は
参
加
し
た
学
生
と
受
賞
者
が
カ
エ
ル
の
よ
う
に
ジ
ャ
ン
プ
す
る
「
蛙
跳
び
」
の
儀
式
が
あ
り
、
こ
れ
は
受
賞
者
の
さ
ら
な
る
飛
躍
を
願
っ
て
の
こ
と
で
あ
る
由
。
受
賞
者
の
参
加
は
自
由
意
思
に
よ
る
が
、
参
加
し
た
受
賞
者
に
は
「
カ
エ
ル
勲
章
」
が
授
け
ら
れ
る
。
ま
た
ア
メ
リ
カ
合
衆
国
で
は
地
域
に
よ
っ
て
ウ
シ
ガ
エ
ル
の
三
段
跳
び
競
争
が
行
わ
れ
て
い
る
。
東
洋
に
お
い
て
も
、
農
業
が
盛
ん
な
一
部
の
地
域
で
は
信
仰
の
対
象
と
し
て
事
実
上
の
保
護
動
物
と
し
て
扱
う
国
々
が
あ
り
、
一
方
で
ベ
ト
ナ
ム
や
東
南
ア
ジ
ア
で
は
主
に
唐
揚
げ
と
し
て
酒
の
肴
と
す
る
食
用
カ
エ
ル
が
養
育
さ
れ
て
い
る
。
そ
の
他
熱
帯
雨
林
気
候
の
地
域
で
は
多
種
が
生
息
す
る
身
近
な
動
物
で
あ
る
為
、
そ
の
国
ご
と
の
こ
と
わ
ざ
に
も
登
場
す
る
例
が
多
い
。
こ
の
他
に
も
、
世
界
の
森
林
保
全
を
目
的
に
活
動
す
る
国
際
N
G
O
団
体
「
レ
イ
ン
フ
ォ
レ
ス
ト
・
ア
ラ
イ
ア
ン
ス
(
R
A
)
」
が
定
め
た
、
独
自
の
基
準
を
認
証
し
た
農
園
で
栽
培
さ
れ
た
作
物
を
使
用
し
た
商
品
に
対
し
て
付
け
ら
れ
る
マ
ー
ク
に
カ
エ
ル
を
採
用
し
て
い
る
。
こ
れ
は
カ
エ
ル
が
自
然
環
境
に
敏
感
で
あ
り
、
環
境
が
悪
化
す
る
と
他
の
動
物
よ
り
も
先
に
消
え
て
し
ま
う
と
言
わ
れ
て
い
る
か
ら
で
あ
る
[
1
5
]
。
成句[編集]
- 蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)/蛙鳴雀噪(あめいじゃくそう)
- 井の中の蛙(かわず)、大海(たいかい)を知らず
- 井の中の蛙(かわず)、大海(たいかい)を知らず(「されど空の高さを知る」と続ける場合もあり、意味が逆転する。元々は「されど空の高さを知る」はなく、日本で勝手に付け加えられたもの)。
- 蛙、オタマジャクシの時を忘れる
- 蛙が兜虫に成る(かえるがかぶとむしになる)
- 蛙の尾
- 蛙の行列
- 蛙の子は蛙
- 蛙の相撲
- 蛙の面に水(かえるのつらへみず)/蛙の面に小便(かえるのつらにしょうべん)
- 蛙の頬被り(かえるのほおかむり)
- 蛙の目借時(かえるのめかりどき)
- 蛙は口ゆえ蛇に呑まるる/蛙は口から呑まるる
- 井底之蛙(せいていのあ)、井蛙之見(せいあのけん)
- 「井の中の蛙、大海を知らず」と同じ。
- 蛇に見込まれた蛙/蛇に逢うた蛙
- 茹でガエル(ゆでがえる)
- 三竦み
環境[編集]
人
間
の
住
居
の
環
境
音
と
し
て
カ
エ
ル
の
鳴
き
声
の
音
量
が
議
題
に
上
が
る
こ
と
が
あ
る
が
、
2
0
2
1
年
4
月
、
東
京
地
方
裁
判
所
は
カ
エ
ル
の
鳴
き
声
は
自
然
音
で
あ
り
、
(
人
工
の
)
騒
音
に
は
当
た
ら
な
い
と
し
て
、
近
隣
宅
の
池
に
棲
む
カ
エ
ル
の
駆
除
を
要
請
し
た
住
民
の
訴
え
を
却
下
し
た
[
1
6
]
。
飼育上の注意[編集]
に
よ
る
両
生
類
の
絶
滅
が
危
惧
さ
れ
て
い
る
。
致
死
率
は
種
類
に
よ
っ
て
は
9
0
%
に
も
な
る
。
麻
布
大
の
宇
根
有
美
助
教
授
(
獣
医
病
理
学
)
は
、
「
飼
っ
て
い
る
両
生
類
に
異
変
が
あ
れ
ば
、
す
ぐ
に
獣
医
師
な
ど
に
相
談
し
て
ほ
し
い
。
水
の
管
理
が
最
も
重
要
で
、
水
槽
の
水
を
消
毒
せ
ず
に
排
水
溝
や
野
外
に
流
さ
な
い
で
ほ
し
い
」
と
訴
え
て
い
る
[
1
7
]
。
日
本
産
の
両
生
類
に
つ
い
て
も
、
そ
の
蔓
延
が
危
惧
さ
れ
た
こ
と
も
あ
り
、
実
際
に
多
く
の
地
域
で
存
在
が
確
認
さ
れ
て
い
る
。
た
だ
し
、
そ
れ
に
よ
る
被
害
の
報
告
は
な
い
。
む
し
ろ
、
元
々
日
本
に
も
生
息
し
て
い
た
も
の
ら
し
い
と
考
え
ら
れ
る
に
至
っ
て
い
る
。
食物連鎖とカエル[編集]
自
然
界
の
食
物
連
鎖
の
中
で
カ
エ
ル
は
下
位
の
昆
虫
類
や
節
足
動
物
類
の
捕
食
者
と
し
て
の
位
置
づ
け
だ
け
で
な
く
、
上
位
の
多
く
の
生
物
に
対
す
る
餌
と
し
て
も
カ
エ
ル
の
占
め
る
位
置
は
非
常
に
重
要
で
あ
る
。
ヘ
ビ
、
鳥
類
な
ど
の
餌
と
な
り
[
注
釈
2
]
、
陸
上
に
お
け
る
食
物
連
鎖
を
支
え
て
い
る
。
特
に
日
本
に
於
い
て
は
、
耕
作
農
地
面
積
の
多
く
の
部
分
が
水
田
で
あ
り
稲
作
の
害
虫
と
な
る
ウ
ン
カ
を
始
め
と
す
る
昆
虫
類
、
様
々
な
伝
染
病
を
媒
介
す
る
蚊
を
含
め
た
生
物
を
大
量
に
捕
食
し
上
位
生
物
の
餌
と
な
っ
て
い
る
。
水
田
の
圃
場
整
備
を
す
る
際
は
、
カ
エ
ル
の
生
息
環
境
に
考
慮
し
た
工
法
が
望
ま
れ
る
[
1
8
]
。
進化[編集]
2
0
2
0
年
に
カ
エ
ル
改
め
無
尾
類
の
2
億
年
あ
ま
り
の
進
化
に
関
す
る
包
括
的
な
研
究
が
発
表
さ
れ
た
。
こ
の
研
究
は
2
4
3
4
種
も
の
無
尾
類
を
調
べ
た
結
果
、
成
長
に
際
し
て
遊
泳
期
(
俗
に
言
う
オ
タ
マ
ジ
ャ
ク
シ
)
を
持
つ
種
は
、
遊
泳
期
を
持
た
な
い
種
(
卵
胎
生
の
種
)
に
比
べ
て
身
体
が
大
き
い
傾
向
が
強
い
こ
と
が
示
さ
れ
た
。
ま
た
餌
に
脊
椎
動
物
を
含
む
種
(
例
→
ウ
シ
ガ
エ
ル
)
は
、
含
ま
な
い
種
(
例
→
ア
マ
ガ
エ
ル
)
よ
り
も
身
体
が
大
き
い
可
能
性
が
高
い
こ
と
も
示
さ
れ
て
い
る
。
こ
う
し
た
研
究
に
よ
り
無
尾
類
は
他
の
四
肢
動
物
と
は
全
く
違
う
地
理
的
・
生
態
学
的
適
応
を
遂
げ
て
い
た
こ
と
が
判
明
し
た
[
1
9
]
。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^abcdefgh日本爬虫両棲類学会(2020)日本産爬虫両生類標準和名リスト(2020年11月16日版).http://herpetology.jp/wamei/(2020年12月17日閲覧)
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- ^Skullsgonewild:Howandwhysomefrogsevolvedextremeheadshttps://www.floridamuseum.ufl.edu/science/how-frogs-evolved-extreme-skulls/
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- ^abc倉本満「すべてのオタマジャクシ期を経るわけではなく、繁殖様式は変化に富み多様である。」『動物たちの地球両生類・爬虫類3トノサマガエル・モリアオガエルほか』第5巻99号、朝日新聞社、1993年、66-67頁
- ^21世紀研究会(2004,p. 235)
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- ^「「隣家の池のカエル、鳴き声耐えられない」と訴え…東京地裁「自然音」と請求棄却」【読売新聞】2021年4月24日付
- ^“<カエル・ツボカビ症>国内で初確認両生類絶滅の危険性も”.毎日jp(毎日新聞).(2007年1月12日).オリジナルの2007年1月15日時点におけるアーカイブ。2013年1月10日閲覧。
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参考文献[編集]
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- 21世紀研究会編著『食の世界地図』文藝春秋〈文春新書378〉、2004年5月。ISBN 4-16-660378-7。
- Alexander,PyronR.;Wiens,JohnJ.(2011),“Alarge-scalephylogenyofAmphibiaincludingover2800species,andarevisedclassificationofextantfrogs,salamanders,andcaecilians”,MolecularPhylogeneticsandEvolution61(2):543-583
- Frostetal.(2006),“TheAmphibianTreeofLife”,BulletinoftheAmericanMuseumofNaturalHistory297:1–291,doi:10.5531/sd.sp.13
- HeinickeM.P.etal.(2009),“Anewfrogfamily(Anura:Terrarana)fromSouthAmericaandanexpandeddirect-developingcladerevealedbymolecularphylogeny”(PDF),Zootaxa2211:1–35
- 「自然界の変化に敏感!?“カエルマーク”の正体とは…」(PDF)『JICA'sWorld』第33号、JICA、2011年6月、16-17頁、2016年7月24日閲覧。
関連項目[編集]
- オタマジャクシ騒動
- 蛙狩神事-諏訪大社の神事の1つ。
- 縄手通り商店街-カエルがシンボル
- 虫拳
- フロッグマン
- 「カエル」で始まるページの一覧
- タイトルに「カエル」を含むページの一覧
- Category:カエルに関する文化
- 両生類の減少-カエルツボカビ症の項も参照。
- 鳴嚢-カエルのあごにある膨らませて鳴き声を増幅させるのに使用される器官。